秋晴れ（うそ）のもと電網カワサキ乗り祭 に集まったＺＸ−７たち
[2-3/Oct./1999]
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９５年の秋、モーターサイクルショウで発表されたばかりのＫＡＷＡＳＡＫＩの新しいＳＢレースマシン”ＺＸ−７ＲＲ”を実物も見ずに注文。
ボクの愛車となるＺＸ−７ＲＲは９６年の２月末、ＺＸ−７Ｒ／ＲＲの第一便でやってきました。
ショップで初めて目の当たりにしたＺＸ−７ＲＲは軽量＆コンパクト。ニッシンの６ポットキャリパーやシングルシート、低いカウル、まるでタンクを抱えるようにセットされたハンドル、・・・まさにＳＢレーサーでした。
初めて７ＲＲを峠に持ち込んで走らせた７ＲＲは、まだ馴らし運転中だというのに、信じがたい速さでのコーナーリングを可能にし、あらゆる面で圧倒的なレスポンスの良さを示してくれました。
当時ＺＺ−Ｒ１１００から乗り換えた私には「何の改造も必要無い」と思えたほどでした。
事実、７ＲＲ購入から１年後、まだ７ＲＲはマフラーが交換されている程度でした。
しかし、ＳＢレースベース車両とは云え所詮公道仕様です。攻めるほどに、７ＲＲとともに距離を重ねるほどに、
ＳＢレーサーへの憧憬は深まり、７ＲＲを公道での使用に耐えるＳＢレーサーに仕上げたいという気持ちが抑えられなくなっていきました。
これは主人の稼ぎだけが頼りの１馬力家庭において、無謀にもＳＢレースベース車両ＺＸ−７ＲＲを公道での使用に耐え得るＳＢレーサーに育てるという汗と涙の育成記録である。
LPUSA製Speed Screenです。
ロックハートＵＳＡ製のレース対応スクリーン。ノーマルのスクリーンはかなり歪んで見えるので、遠近感が惑わされてしまうことがあります。カウルに潜って走る人はスクリーンの交換は必須条件ですね。ロックハートのスピードスクリーンは国産物以上の低歪みなのに低価格の１ｍｍ厚アクリル製スクリーン。個人輸入でＧＥＴしました。このシリーズのスクリーンは通常のロックハート製スクリーンに比べて厚さは約半分になっています。
加工精度も良く、スクリューの位置あわせに苦労することはありません。
Kawasaki ＳＢキットのメカリリースクラッチです。
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ノーマルの油圧式のクラッチは、
- クラッチの感覚が掴み難い
- レバーの引きが少々重い
- 走行時にエンジンからの熱で遊び＆半クラが変化する
- フルードの劣化が早くマメなメンテナンスが必要だけどエア抜きに時間がかかる
ってトコロが気に入らないのでメカニカルリリースタイプに変更しました。ま、メンテナンスは気にしなけりゃ車検毎でも良いンだけどね。外観もワークスと同様のワイヤー式で、ドライブスプロケットカバーも外されてレーシーになりました。
ハンドル側のクラッチレバーＡＳＳＹは以前ＫＺ１３００に付けていたゼファー用をレバーだけＺＲＸ用の黒いものに換えて使用しています。
キットパーツマニュアルには特別な記載は無かったのですが、ノーマルのオルタネータとの組合わせには問題がありました。
オルタネータフレーム後側のフィンとリリースレバーが干渉してしまいます。メカリリースクラッチキットはオルタネータの無いスーパーバイク又は、耐久用にはキットのインナーローター
型のオルタネータを使用することを想定した設計になっているようです。解決方法は以下の３通りがあります。
・・・といった状況になったのでＤＩＹでの作業は中止。急遽、行き付けのバイク屋（いつも難儀な事ばっかお願いして申し訳無いっす）に持ち込んで装着方法を相談した結果、 （３）＋ケーブルホルダーのワンオフ製作ということになりました。ケーブルホルダーはアルミ削り出しで作製すると１個３万以上することが判明したので、ステンレスの溶接加工物を作製してもらいました。
- （１）キットのインナーローター型のオルタネータに変更する。
- キットのオルタネータは値段が単体で１５万強、専用オルタネータケースが５万強と高いうえ、発電容量がストリートでの使用には少ないので採用し難いです。 また、キットのオルタネータは、オイルポンプ、クラッチハウジング、オイルポンプとオルタネータのギア駆動（ノーマルはチェーン駆動）、インプットシャフト等々のキットパーツとの セット使用が必要なので、非常に高く付いてしまいます（部品代で約５０万！）。
- （２）ノーマルのオルタネータフレーム後方のフィンを５ｍｍ程切削する。
- 一番安易＆安価なのですが、オルタネータの焼き切れが心配ではあります。ZX-9R等はクランク左端にオルタネータが取付けられていますが、 オルタネータが密閉されていることを考えるとあまり深刻に考えることも無いとも思われます。
- （３）クラッチリリースレバーを曲げる
- リリースレバーは鋳造なので、一旦切断し適当な角度で溶接する事になるので工数がかかりますが、オルタネータ周りに不安は残りません。ただし、ワイヤーホルダーとリリースレバーの直線性が若干損なわれることが予想されます。
ＲＫ ＥＸＣＥＬのＧＹ５２０ＭＸＯに変更しました。
走行距離は７千キロほどだったのですが、一度ガシガシに錆びさせてしまって以来リンクが渋くなっていたので早々に交換しました。
ノーマルのチェーンサイズは５２５なのですが、軽量化＆フリクションロスの低減を狙って５２０にしてみました。
フリクションの面ではＯリングの無いスプリント用もかなり魅惑的（単体で曲げてみると全然違う！）なのですが、メンテナンスが面倒なので今回はパス！
純正＆ワークス採用のＤ．Ｉ．Ｄも考えましたが、Ｏリングの薄さでＲＫにしました。でも、圧倒的にＤ．Ｉ．Ｄの方が安いンだよなー
組付け時に注意したことはできるだけＲスプロケットを前よりにセティングできるコマ数にすること。７って、最高速よりコーナーリングでしょ？
AFAMのWorksLite Type2,43Tに変更しました。
チェーンを５２０にしたので当然スプロケットも交換です。耐久性と軽さでWorksLiteと呼ばれる超肉抜＆ハードアルマイトのスプロケットを選択しました。
なお、９９年７月の時点でAFAMの「WorksLite Type2」は製造を終了しており、在庫分のみとなっていました。ちなみに、４２Ｔは完売、４１Ｔは在庫僅少、３８〜４０、４３〜４８Ｔは在庫多数だそうです。
現行車用なのに製造終了というのは一体・・・ＺＸ−７って、そんなにマイナー？ボクはType3でも出るのだらうと楽観することにしています。
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チェーンサイズを５２０にすると、ドライブスプロケットはキットパーツが使えます。キットパーツのドライブスプロケットは肉抜加工によりかなり軽量になっています。 ちなみに、丁数は１６と１７が用意されています。
マジカルレーシングのリアフェンダーです。
リアフェンダーを作るとなると、マスターモデルから作製しなくちゃならないので割に合わないと判断して各社のリアフェンダーを物色しました。
７ＲＲ用のリアフェンダーは、Kawasakiキットパーツ、Lockhart、マジカルレーシングがありましたが、１）キットは割高、２）毛唐の製品は造作が粗いと勝手に判断してマジカルにしました。
写真で見る限り、一般的なタイヤに沿った形ではなく、いかにも整流効果のありそうなデザインです。どうも注文を受けてから製作するようで、４週間ほど待たされます。（注文した時期が悪かった。８耐優先で納品されてしまった）
市販のカーボンフェンダーって結構高いのでノーマルパーツで雌型を起こして自作しちゃいました。
仕様はカーボンクロス２プライ、高硬度エポキシ樹脂、１ピース（前後分割成型後に接合仕上げ）です。
まずまずの仕上がりだと思います。ちょっと見てやってください。
ちなみに、７ＲＲ用のフロントフェンダーはキットパーツ（FRP・一体物）、マジカルレーシング（各種・２分割）、Lockhart（カーボン・前半分のみ）、Air-Tech（FRP・一体物）、Shark-skin（FRP・一体物）等から発売されています。
自分もＦＲＰを製作してみたいという方へ、写真も図解もありませんが、AcrobatでＴｉｐｓ集を作ってみましたので参考にして下さい。
自作のステンレスメッシュホースです。
フロントブレーキ、リアブレーキ、クラッチのホースを交換しようと思ったンだけど・・・
市販の物は取りまわし、長さ（ハンドル換えるからね）、フィッティングパーツ（赤と青のアルマイトって下品だと思う）が気に入らなかったのでこれも自作しました。
ホース、フィッティングはGoodridge製、バンジョー等はステンレスです。黒の熱収縮チューブでカバーしたので純正ちっくな仕上がりです。
Muzzyのカーボン製ラムエアダクトです。
キットパーツと同形状で、エアクリーナーボックスへの差込み口のみノーマールのエアクリーナーボックスに対応した形になっています。
ちなみにキットパーツはキットのラムエアボックス用なのでノーマルのエアクリーナーボックスには付きません。マジカルレーシング製はダクトのカウル側がマジカルのカウルに合わせてあるので要加工となります。
ついでにカウル側の金網も取り外してしまいました。結構大きな虫がエアクリーナーボックスでミイラになってたりしますが、雨が降っても支障はありません。
大口開けて飛び回って片っ端から丸呑みするなんて、何か夜鷹みたいっす・・・(^^;
Muzzyのカーボン製メーターダッシュパネルです。
特に何が良くなる訳でもないのですが、見た目がちょっと良くなったような・・・
カーボンクロス１プライのペラペラです。掃除で雑巾を引掛けるときっと割れます。
ま、気分が良くなるなら良えやんってパーツですね。
カワサキ純正スーパーバイクキットのマフラーです。
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物はビートのレース用ナサートＲそのものです。セッティングはジェットの変更は無しでニードルだけ一段上げて一年中ＯＫとなりました。ウールがへたっているのか、騒々しいので車検時には軍手をサイレンサーに突っ込みます。(^^;
カワサキ純正スーパーバイクキットの車高調整です。
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リアサス上側の取付け位置を上下させる事ができるようになり、リアサスを取り外す事無く車高が簡単に調整できるようになっています。ボクは標準＋５ｍｍで前後バランスはＯＫって感じになりました。
カワサキ純正スーパーバイクキットのピボット位置調整です。
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スイングアームの取付け位置を＋−１又は２ｍｍ上下させてトラクションを調整できます。
一般にピボット位置を上げるとオーバートラクション、下げるとレストラクションとなるようです。一般道路を走るボクの７ＲＲは２ｍｍアップでトラクションを稼いでいますが、コーナーリング中のアクセルとグリップの感覚が判りやすくなってＧｏｏｄです。
カワサキ純正スーパーバイクキットの「２次エア通路プラグ」です。
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輸出仕様の７Ｒ・ＲＲにはセカンダリーエアインジェクションシステムという排気ポートにエアクリーナーからエアを導いて排ガス内の生ガスを完全燃焼させることにより排ガスを浄化する機構が採用されています。
排気ポートとシリンダーヘッドカバーを接続する「２次エア通路パイプ」を「２次エア通路プラグ」と交換してセカンダリーエアインジェクションシステム全てを取り外す事ができます。
写真は２次エア通路プラグによって取り外されたセカンダリーエアインジェクションシステムです。シリンダーヘッドカバー左下に４本並んでいるアルミパイプが「２次エア通路パイプ」です。
カワサキスーパーバイクキットのステアリングストッパーです。
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材質はテフロンで、フレームのステアリングステム部（フレームヘッド）の左右にあるネジ穴にボルトで取り付けるようになっています。
キットパーツマニュアルでは、「ステアリングの舵角を狭くする」となっていますが、スタンダードのステムの場合はアンダーブリッジのステアリングストッパーの方が先に効くので何の役にもたちません。(^^; キットパーツのフレームヘッドブラケットによりキャスター角等を変更した場合にはアンダーブリッジのステアリングストッパーを削除する場合があるので必要になります。
カワサキスーパーバイクキットのラジエータのリザーバータンクです。
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標準のリザーバタンクが市販車っぽくてヤダって思ったので購入しましたが、まんまレース用でクーラントの注ぎ口も無いので取付けを躊躇(^^;してましたが、やっと取付けました。
ラジエータの右上にタイラップで取り付けるようになっているので、標準のラムエアダクトを使用している場合にはダクト下側のインテークチャンバーと干渉するので取付け場所に苦労します。
純正流用ラジエータ・スクリーン
ノーマルの７ＲＲにはラジエータ・スクリーンが付いていないので飛び石等によるラジエータの破損やフィンの曲りが気になります。 ZX-9R用のラジエータ・スクリーンを小加工して取付けてみました。
■キットパーツ（国内標準）
ノーマルのバランスウェイト付きのハンドルバーが気に入らなかったので国内７ＲＲ用ハンドルに交換してみました。 ハンドルの位置はバー１本分上がり、バー１本分手前になり、かなり楽なポジションになりましたが、ハンドルの幅が広くタンクを肘でホールドし難くなりました。 ウェイトが無いためハンドルに伝わる振動は激しくなってしまいました。
■輸出用クランプ＋国内用バー
ハンドルに伝わる振動は仕方が無いと諦めたものの、肘が開くのはたまらんってんで輸出用のハンドルクランプに国内用のハンドルバーを組み合せてみました。 ポジションは元に戻り、振動だけが残りました。（何やってんねん）
■コワース カーボンハンドル
あんまりツーリングに行く機会が無いんだったら、もっとハンドルは低い方がワインディングで楽しめると考えて コワースのカーボンハンドルに交換してみました。いきなり垂れ角をきつくするのもギャンブルだと思ったので１０°に留めるあたりはボクの根が「ツアラー」の証拠。 バーの高さは少々低くなり好印象を持ったが、ハンドルクランプの形状からバーは１本分遠くなってしまった。 バーが遠くなった為、クラッチマスターとメーターが干渉するようになってしまった。クラッチマスターの取付位置＆ホースの角度でなんとか逃げました。
意外にも、カーボンハンドルにするとハンドルに伝わる振動が著しく低減されました。
■ETHO'S アルミ溶接ハンドル
もう少しハンドルを低く＆近くしたいので、ETHO'Sのハンドルに変更してみました。 ETHO'Sのハンドルはハンドルバーをハンドルクランプに溶接してあるので、フォークの中心より少し前あたり からハンドルバーが出るようになり、当然、ハンドルは近くなりました。垂れ角は１５°を選択したので、 かなりバーの位置も低くなりました。ハンドルに伝わる振動もノーマルレベルです。現在はこれで落ち着いています。
なお、垂れ角を１８°にするとラムエアダクトに干渉する可能性大です。
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市販車をサーキット走行〜全日本ＳＢレース専用マシン(ZX750NR1〜4)に変更する為のレーシングキットパーツの構成表とマニュアルです。
キットパーツは毎年変更・追加されています。最新のレーシングキットパーツマニュアルには過去の部品との互換等も記載されています。
また、シリンダーヘッドの加工箇所・方法等が記載されているので、チューニングの手引書としても役立ちます。
尚、これらの部品を取り付けると一般道路を走ることはできないそうです。(^^;
AcrobatのPDFでキットパーツリストを作成しました。